人との出会いが、織り成す赤。
名古屋出身の洋画家で世界各地で壁画制作を行う田村能里子さんがこのほど、
京都・嵐山の大本山天龍寺塔頭宝厳院本堂再建を記念して、自身の第50作となる全58画の大作襖絵を奉納。
来春の奉納に先立ち、明日から13日までジェイアール名古屋タカシマヤ10階特設会場で記念展を開催します。
構想期間を含め完成まで2年を費やし「女流洋画家が禅寺に襖絵を描く」と言う異例尽くしの偉業を行った
「田村能里子の世界」をどうぞご堪能ください。
33体の中から見つけてほしい
自由に伸びやかに自分らしい姿を。
大本山天龍寺塔頭宝厳院本堂再建に際し、その襖絵を描く話が舞い込んで来たのは3年ほど前。
「私の西安唐華賓館の壁画をご覧になったお坊様からの依頼でした。
奇しくも第1作が記念すべき第50作へのきっかけに。
これまでの技術を結集した渾身の作品となりました。」
依頼された当初。田村さんの頭に漠然と浮かんだテーマは「限りなく豊かな風。」
そこでたどり着いたのが「風紋」を表現することだった。
赤く乾いた大地に数千、数万もの風が残す足跡。
田村さんの作品にはこれまでにも数々の「風」が描かれてきたが、
今回吹き込まれた風には強い生命力がみなぎる。
全58面、約60mにわたる襖絵がほぼ筆置き(完成)の段階を迎えた頃、
作品は「風河燦燦 三三自在」と命名された。
「風河」は大自然、「燦燦」は太陽が生命を育む様子、「三三」には襖に描いた
33体の「人=いのちを営む体」を表現した。
風河燦燦三三自在展
開催中掲載記事
2008年10月1日中日新聞