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クロワッサンPremium 2008年1月号
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壁画を描くときは、下絵を描かず、集中して一気に描いていきます。
何十メートルもある大きなものだと、ゴンドラを吊り上げて空中で描いたり足場を組んだ上で描いたり」
 田村能里子さんは、壁画界の第一人者。
中国、西安のホテル、「唐華賓館」、横浜MM21コンサートホール、北里病院、客船「飛鳥」など、
45作品以上を手がけてきた。


「壁画のいいところは、一般の人が誰でも、いつでも見られるということね。
油絵や日本画は、美術館に入ってしまえば、展覧会でもないと見られないし、
ましてや個人の所有になってしまえば、描いた私でさえ見にいけないのは宿命です。
私が描いたんですけど、と訪ねでも行かない限りね」 
だから、誰もが気軽に、家の中で楽しめる、【絵】の提案に力を入れている。


あえて、年賀のことばは入れません。絵として楽しんでほしいから。

「壁画の一部をスカーフやハンカチにして、使うだけでなく、額に入れて楽しめるようにしたり、
展覧会の案内状を、そのまま壁に飾れるように絵だけにしたりしています」
 以前は、あれも知らせたい、これも報告したいと、文字をぎっしり書き込んでいた。
「年賀状も、子ども部屋でもトイレでも、自由に飾って楽しんでいただけたらと思っているんですよ」
 そう話すと、コンテを手に、さらさらと女性の絵を描き始めた。
「シルクロードに取材に行ったときに出会った、ウイグル族の女性です。
新しい年に新しい風が吹きますように、という思いを込めて」
 絵として飾られることを想定して、あえて年賀のことばは書き入れない。
「いくらメカが進んでも、絵描きの手が生み出す絵は、なくならないと信じています。
同じように年賀状も、いくらインターネットが進んでも、相手のことを思いながらお出しする、
ハートの温かさは残していきたいですよね」

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