≪8≫フロントゾーン(アクリル画)
正面ロビー左側には作者の25年間の壁画制作のうちの59作目の新作
「はないかだ(FRORAL FROAT)」が飾られています。
作者のアートワークスのうちでも中心の位置を占めるものです。
柔らかな野草の筏(いかだ)に乗って、5人の女神たちが思い思いのポーズで寛いでいます。
ホテルが客船に例えられるように、草原は草花で編まれた筏船のようです。
複雑に散りばめられた色彩の風紋のなかに、生きている時間を、愛おしむように佇む女神たちの表情。
心地よい風を感じながら、楽しげに、それでいてどこか深い愁いを秘めた横顔。
この壁画には特定の神話や宗教的な物語はありません。
女神たちは作者が長い時間をかけて作り上げてきた作者自身の分身でもあり、子供たちでもあります。
このホテルで出会うお客様にどうか心地よい寛ぎの時間をお過ごしください、と話しかけている
作者のメッセージをお聴き取りいただけたら、と思います。
なお題名は京都「高台寺」の庭園にある「ねね(秀吉公の奥方)の館」からヒントを得てつけてみました。
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